00338-050314 夏の思い出
夏の思い出を作詩した詩人の江間章子さんが12日に亡くなったそうです。作曲者の中田喜直さんは2000年に亡くなっています。 10年程前、カンボジアで孤児院に通って遊具構築の作業をしていた頃、リコーダーが好きな少女がいました。ある日、彼女はshio.iconに、 「『エリーゼのために』の楽譜を書いてください。」
と頼んできました。カンボジア2度目のshio.iconはヴァイオリンとリコーダーを持参し、毎日、子どもたちの歌う童謡や世界の音楽をいろいろと演奏していたからです。
「むずかしいよ。」
「むずかしくてもいいから、書いてください。」
彼女は10歳くらいの少女ですが、こういう会話は当たり前に英語です。
楽譜、書きました。曲の中で使う半音の指使いを教え、一緒に吹きながらニュアンスを伝えました。彼女は喜んで、ずーっと練習していました。
次の日。
「日本の歌を教えてください。」
そこでshio.iconが教えたのが「夏の思い出」。
リコーダーの音域に合うように移調した楽譜を書いて、吹いて聞かせました。
最終日。その孤児院での作業が終わり、鉄棒などの遊具が完成。お礼に子どもたちが様々な踊りや歌の出し物を繰り広げてくれました。一緒に踊ったりして楽しいひととき。
そしてそのレセプションの最後。彼女が出てきました。
「『夏の思い出』を吹きます。」
感動しました。
私たち日本人がカンボジアの孤児院に毎日通い、子どもたちと交流することの光と影を感じ始めていたshio.iconにとって、本当に心洗われる贈り物でした。音楽は心に響きます。
以来、カンボジアに行くときは必ずヴァイオリンとリコーダーを持参しています。
プノンペン大学で自分が講義をする間の休み時間。講義の後のレストラン。政府の次官との会食。裁判官や検察官との会食。ホテルのロビー。いろんな場所でいろんな人の前で演奏しています。音楽のチカラは偉大です。 こうして夏の思い出が重なってゆきます。
お二人への感謝とともに心からご冥福をお祈り申し上げます。
カンボジアの写真は数千枚ありますので、近いうちに載せます。
http://www.flickr.com/photos/shio/6411091/ http://photos7.flickr.com/6411091_47c403d566_o.jpg
http://www.flickr.com/photos/shio/6411088/ http://photos6.flickr.com/6411088_1aea364a1e_o.jpg